FXのはじめ方

FX

FX(外国為替証拠金取引)は、外国為替相場の動きを見ながら日本円や海外通貨(ドル、ユーロ、ポンドなど)を売買をして、利益を出していく取引のことを指します。

しかし、「興味はあるけどよくわからない・・・」という理由でなかなか始めることが出来ないのがFXです。そこで、まずは簡単に始められるような手順の紹介をしてみたいと思います。

資産運用に慣れていない方の中には、FXはハイリスク/ハイリターンのギャンブルと感じている方がいると思いますが、決してそのようなことはなく、高額の取引をすれば損益も高額となり、低額の取引をすれば損益も低額になるというだけのことです。

もちろん、正しい知識とトレーダー特有のマインドを身に着けない限り、安定した利益を生み出すことができないのが事実ですので、そのあたりの注意点も載せておきますね。

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STEP1:必要なものの準備

とりあえずこれだけ用意しましょう。揃えるのはそれほど難しくありません。

  • ネットに繋がるデバイス(PC、スマホ)
  • 本人確認書類(免許証など)
  • マイナンバー
  • 必要証拠金(為替取引に使うお金)
  • 自分名義の銀行口座

STEP2:証券会社にFX口座をつくる

FXを始めるには、証券会社にFX口座を用意する必要があります。とは言っても、どの証券会社が自分にあっているのかわかりませんよね。

証券会社や口座の種類のよって、自分と証券会社で利益の取り分の条件が違いますので、まずはお手軽な国内有名どころの証券会社で始めて、仕組みが分かってきた時に乗り換えていくのが良いと思います。

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FX口座への申し込み時には、氏名、年齢、電話番号、マイナンバー等の基本的な情報のほか、職業、年収、資産状況等を登録する必要があるのと、スマホで自撮りした写真を送付して本人確認を行うこととなります。

早ければ当日、遅くても3営業日もあれば、口座開設手続き完了のお知らせメールがあることと思いますので、メールの内容に従って本人確認の手続きを行うと、利用者IDとパスワードが発行されます。

STEP3:アプリのダウンロード

FX取引には、証券会社で用意しているアプリを使用しますので、ダウンロードサイトからセットアップを行い、 利用者IDとパスワードを入力して、アプリを使用できることと口座残高を確認してください。

PC版とスマホ版と両方使えるようにしておくのが良いです。

STEP4:FX口座に入金する

アプリまたはWEBサイトで入金を指定して、自分用のFX口座に振り込みを行うことで入金となります。銀行の指定や金額等の条件はありますが、事前に連携する銀行口座を指定しておくことで、振込手数料が無料になるケースがありますので、事前に口座登録を済ませておきましょう。また、デビットでの入金が可能であればお手軽です。

STEP5:FX取引の開始

通貨ペアとロット数を指定し、【売り(Sell)】または【買い(Buy)】ボタンを押したら取引開始です。まずは、思い通りのタイミングで売買注文を行えるように練習しましょう。

FX取引とは

FX取引は、 「売り」、「買い」という表現ではありますが、考え方としては外国為替の交換になり、2回の売買(交換)で1連の取引が完了となります。

例えば、通貨ペア「ドル/円」で 1ドル=150円の時点で取引を開始(買い)して、1ドル=151円の時に決済(売り)した場合、以下のようになります。

  • ドル買い: 指定ロット数のドル(例えば0.1ロット=1万ドル)を受け取って、時価で相当額の円(150万円)を渡す。
  • 1ドル=151円まで待つ
  • ドル売り: 指定ロット数のドル(例えば0.1ロット=1万ドル)を渡して、時価で相当額の円(151万円)を受け取る。
  • 結果、150万円渡して、151万円受け取ったので、利益が1万円。

通貨ペアとは、「ドル/円」とか「ユーロ/ドル」などの2つの通貨の組み合わせのことで、証券会社ごとに異なりますが、最初は 「ドル/円」 が感覚的に受け入れられやすいと思いますし、どこの証券会社でも扱っていますので、初心者の期間は 「ドル/円」 中心の取引で良いかと思います。

証拠金とは

上記の例では、 1万ドルを受け取って、時価で相当額の150万円を渡すという取引を行っていますが、150万円の手持ちが無くても、FX口座にある程度の残高があれば可能となっています。1ロットを取引するための残高は証券会社ごとに決められており『証拠金』と言われます。

物品の売買と異なり、世界的に同等の価値と認知されている為替の交換だから可能な仕組みです。買ってみたツボや絵画が、翌日には無価値になったなんてことは起こりえますが、為替が突然無価値になるようなことは無いため、見込まれる損失額分だけ口座に残高があれば相殺できるからです。(稀に相殺が間に合わないほどの暴落や暴騰はあります。)

証拠金の額ですが、国内の証券会社では証拠金の25倍までの取引が法律で認められています。1万ドルを取引するために必要な口座残高は、 1ドル=150円の時点で は、25x = 150万ですので、だいたい60,000円が設定されます。

レバレッジとは

証拠金の金額を決定している25倍という倍率をレバレッジと言います。

レバレッジは必要な証拠金の額に影響しますが、為替変動によるロット当たりの損益は影響を受けません。レバレッジによらず、1万ドルが1円変動したら、差額は1万円ということです。

海外の証券会社では、レバレッジ1000倍までの取引が可能とされており、同条件で1万ドルを取引するために必要な証拠金は 1000x = 150万ですので、1,500円となります。

高レバレッジのほうが大きいロットでの取引が可能なため、お得という気になりますが、少ない資金で大きなロットを扱う場合には、含み損で証拠金割れを起こす可能性が高くなりますので、現実的ではありません。

例えば、国内の証券会社で、口座残高65,000円、0.1ロット(1万ドルを購入)の場合、含み損が累積で5,000円(0.5円変動相当)を超えた時点で 証拠金割れとなります。

含み損が証拠金割れを起こした場合、証券会社により、手持ちの取引が強制決済されるケース、更に証拠金がマイナスになった場合に、追証(追加の証拠金)として請求書が発行されるケースがあります。

レバレッジに係らず、想定する損失累計額が資金の何パーセントにあたるのかを把握してロット数を決めることが最重要です。

いつ買って、いつ売るのか

FXは2回の売買で1連の取引となりますが、「1. 買って」→「2. 売る」のほか、 「1. 売って」→「2. 買う」という順序での取引が可能で、相場が上に動いても下に動いても、利益を狙うことができます

「買い」から始める例は先述していますが、「売り」から始める例は以下のようになります。
通貨ペア「ドル/円」で 1ドル=150円の時点で取引を開始(売り)して、1ドル=149円の時に決済(買い)したとします。

  • ドル売り: 指定ロット数のドル(例えば0.1ロット=1万ドル)を証券会社から借りて、市場で売って、時価で相当額の円(150万円)を受け取る。
  • 1ドル=149円まで待つ
  • ドル買い: 指定ロット数のドル(例えば0.1ロット=1万ドル)を時価で相当額の円(149万円)で買って、証券会社に1万ドルは返す。
  • 結果、借りた1万ドルを150万円で売って、149万円で買い戻し、利益が1万円。(借りた1万ドルは返した)

「円/ドル」という通貨ペアはありませんので、 通貨ペア「ドル/円」 で、ドル売り(=円買い)→ドル買い(=円売り)という表現になります。

ここで、「口座にドル持ってないのに、ドル売りから始まることが理解できない」と良く言われますが、証券会社が貸してくれていて、決済時に返していると考えてください。証券会社としては、通貨が何であれ、 見込まれる損失額に見合う価値の残高が口座にあれば良いのです。

「買い」から入って「売り」決済を予定することを、ロングエントリー、「売り」から入って「買い」決済を予定することを、ショートエントリーと言います。ドル高に進む見込みであればロング、ドル安に進む見込みであればショートということになります。

この「見込み」が勝敗を分ける大きな要素なのですが、見込みを付けるためには経験と知識が必要です。

1. 為替レートが変動する仕組みを知る
2. 為替レートに影響する情報を収集する
3. 先人たちの手法を理解する
4. トレード経験を蓄積する
5. 感情的にならずに判断する

難しくはないのですが、長い取り組みになります。がんばりましょう。

利益の出し方

FXにおいてもビギナーズラックはあります。少額から始めるわけですが、直感でやってみたら残高が倍になったという話は良く聞きますし、自身もそうでした。素直な気持ちって大事なんですね。

FXは勝てるのかという話なんですが、ギャンブル(一か八か)でやっている場合、3日も持たず絶対勝てません。

FXは98%の人が勝てないという記事を見かけますが、ある意味正解で、ある意味間違いです。パチンコでも競馬でも同様ですが、 ギャンブル(一か八か) でやっている人は絶対勝てませんので、勝率0%の集団を集計の母数に入れることがナンセンスです。 正しく取り組んでる人であれば、4割ぐらいの人は中長期で利益を出しているものと思います。

なぜ、ギャンブルでやっている人は絶対勝てないのか。その理由はFXの仕組みにあります。

まず、FXの取引では、スプレッドというルールがあります。初めから売値と買値に差があるため、買った直後に売った場合には、為替レートが変動していなくても損失が出ます。買値は1ドル=150.00円で、売値は1ドル=149.94円といった具合で、
0.1ロット(1万ドル)を買って売った場合には-600円の損益で、実際は手数料があったりしますので、実質-800円スタートぐらいです。

次に、FXの取引はゼロ(Zero)サム(Summary)であることです。同じレートでの買い手と売り手が存在した場合にのみ早い者勝ちで取引が成立するということです。勝ち組が100万円の含み益を抱えてどうしようかなと考えているときには、 負け組が100万円の含み損を抱えてどうしようかなと考えているということです。

つまりは、ロット数で予想を押し切られた少数組が損失を抱え、 予想を押し切った多数組が利益を得る仕組みであるため、少数組は一人あたりの損失額は大きく、多数組は一人あたりの利益額は小さくなるのです。

実際は、大きく利幅を取れる人や、一人で100ロットの売買を行う人もいるのですが、均して考えると、負けたとき=損失金額が大きい、勝ったとき=利益額が小さい、となるので、勝率5割では利益が出ないということになります。

更に、心の壁が立ちはだかります。
人は証拠金を割り込んで取引できなくなるまでは、希望を持ち続ける精神構造のようで、マイナスの利確(損切り)ができないのです。

「利益を目の前にすると、利益を失うというリスクの回避を優先する傾向」
「損失を目の前にすると、損失そのものを回避しようとする傾向」


為替レートは小さく上下しながら、大きく上下していくことが多いため、含み益が出ているときは利益遺失を恐れて小さいプラスで利確し、一方、含み損が出ているときは、逆に振れることを期待してマイナスが小さいうちに利確(損切り)できずに被害を拡大させるということを誰もが経験します。

中期的に利益を出すためには次の2つしかありません。

勝率50%以上の手法でできるなら、(勝った場合の利益 ÷ 負けた場合の損失)≧ 1で利確、損切
勝率20%程度の手法でやるならば、(勝った場合の利益 ÷ 負けた場合の損失)≧ 4で利確、損

(勝った場合の利益 ÷ 負けた場合の損失)をリスクリワードレシオと言います。 リスクリワードレシオ=4というのは、 勝った場合の利益を1000円で見込むのであれば、含み損が250円に悪化した時点で、回復は期待せずに決済するということです。1000円の利益が見込めるポイントでしかエントリーしないということでもあります。

では、実践してみよう

しばらくは最小ロットでの取引を続けるようにしましょう。証券会社によって取引できる最小ロットが異なりますので、今回は通貨ペアは「ドル/円」、ロット数は0.1(=1万ドル )の取引としましょう。

また、口座残高は 「ドル/円」 0.1ロットの証拠金 + 損失可能累計額(500円負け × 10回 = 5000円)を確保しましょう。国内の証券会社であれば、6万5000円ぐらいになります。

勝率20%、リスクリワードレシオ=4と設定するならば、勝った時の想定利益は+2000円となりますが、これはかなり難しいです。

次にアプリの画面で、通貨ペアに 「ドル/円」 、取引ロットに0.1と設定し、【売り】ボタン、【買い】ボタン、 【注文確定】ボタンの位置を確認しましょう。画面や詳細な操作手順はアプリによって異なりますが、基本的にやることは同じです。

ワンクリック注文が設定されている場合、【売り】【買い】ボタンを押した時点で注文される画面もあるので注意しましょう。

注文には種類があります。大きくは「成り行き注文」と「指値注文」です。

成り行き注文

  • レートや時間を指定せず、その時点の水準で売買します。
  • すぐ流れに乗りたいときや、すぐ決済を行いたいときなどに使います。
  • レートの変動が活発な場合、発注したレートからずれて約定する場合があります。

指値注文

  • 154円になったら売る、あるいは153円になったら買う、というように希望価格を指定して発注する注文です。
  • レート変動を予測して注文するため、ずっとチャートを見ている必要がありません。
  • 予想通りの価格にならなかった場合は約定されません。

今回は「買い」の成り行き注文を行いますが、成り行き注文と同時に損切の指値注文がでるように設定します。
運が悪いと数秒で-1000円を超える場合もありますので、必ず設定してください。

「買い」 の設定画面で、損切-5Pipsと指定します。 -5Pipsとは、154.500円で買い注文が約定した後に、154.450円まで下落した場合のことを指します。154.500円で買って154.450円で売りの自動決済が行われる不幸な事態を想定したもので、0.1ロットの場合での損失は500円となります。

次に「ドル/円」のチャートを1分足に設定して、じっと見つめながら注文タイミングを計ります。1分足とは1分ごとにチャートの棒1本が増えていくチャートの粒度のことです。

波を感じることができたでしょうか。これから上昇すると思った時点で 「買い」の【注文確定】ボタンを押しましょう。

約定すると、「含み益」または「含み損」を抱えた取引を持っていることになります。この取引単位を「建玉(たてだま)」または「ポジション」と言います。アプリの「ポジション画面」もしくはチャート画面に未確定損益が表示されていることと思います。

おそらく、未確定損益 -120円のように表示されており、変な汗が出ているのではないでしょうか。前述のスプレッドと手数料の仕組みにより、取引は必ずマイナススタートとなりますので、落ち着いて巻き起こる感情を楽しみましょう。

では、損益がプラスで、もう上昇しないと思った時点で、ポジションを指定して【決済注文】ボタンを押しましょう。これで一連の取引が完了となります。

どうでしたでしょうか。損失を抑えながらしばらく練習しましょう。

ビクトリーロード

勝者への近道。それは失敗を体感することです。
FXでは、やってはダメなことがいくつかあります。また、避けられない不幸な価格変動も起こります。

ほぼ勝てるという手法はありませんが、大きく負けないための手法はあります。
それさえ押さえれば、中長期で利益が残せます。

ただ、それは理屈で分かっているだけでは実践できないものであって、正しく相場を把握できるようになったうえで、それでも何度か同じ失敗を体験して、しっかりとマインドに焼き付ける必要があります。

また、不測の事態があったとしても、売買ツールから自在に注文を出せるようにしておくことは言うまでもありません。

やってはダメなこと

チキン利確 … ちょっとの含み益で利確
損切貧乏 … ちょっとの含み損で損切り
ポジポジ病 … 取引回数が多すぎる( 実際は利幅を取れるチャンスは1日に何度も無い)
損切りできない ➡ 退場の危機
注文時に損切注文を入れない ➡ 退場の危機
資金に見合わないロットでの取引 ➡ 退場の危機
根拠のない予想 ⇒  勝率は上がらず、たまに勝っても利益が小さい(勉強不足)

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